<8.アレルゲン食品のたんぱく量と負荷試験に用いられる食品>
<卵>
鶏卵のたんぱく量は12%で、50g鶏卵で6g。(卵白70%、卵黄30%)卵白のたんぱく量は10.5% 卵白1g中105㎎。50g卵の卵白35gで3.6g
①かたゆで卵黄:ゆでた後、早めに卵白から分離する。
時間が経つと卵白オボムコイドが卵黄部分に移行するため早めに卵黄をとりだす。
②高温加熱により小麦存在下でアレルゲン性が低下するため、小麦アレルギーのない場合は、クッキ ー、カステラなどで卵のアレルゲンたんぱく量がわかっているものから指導をうけて利用(他の原 材料に注意)
<乳製品>
牛乳は一般に3.3%濃度のものが多いため、200mlあたり6.8gの蛋白量になる。①牛乳の少量をうすめて1ml程度から負荷試験で確認
②直接、生乳の利用が困難な場合は、アレルギー対応シチュー、カレーなど
に少量の乳を入れた食品を用いる
③小麦アレルギーがない場合は、高温加熱した小麦のクッキー食パンなど利用できる食品がある。
牛乳は加熱でアレルゲンは低下しにくいが、高温加熱で乳アレルゲン性が変化する。
乳のアレルゲンたんぱく量の少ない加工食品の指導をうける。
バター10g=牛乳2ml相当。バターのみの食品は利用できることが多い。
④一定量の生牛乳が安全摂取できたら、各乳製品の牛乳量を知って利用する。
チーズ、脱脂乳は乳たんぱく量が多いため注意
脱脂乳2g、スライスチーズ1/6枚3g、粉チーズ2g=牛乳20mlに相当
ベビーチーズ(プロセスチーズ)1/2個=牛乳50mlに相当
<小麦>
ゆでうどんが小麦粉と水、塩分のみのため適している。ゆでうどん100gの蛋白量は2.6%=2.6g(26mg/g)であり、小麦粉は中力粉約30gが含まれる。
(うどん50gと小麦製品の換算表参考)
①ゆでうどん1g(たんぱく量26㎎)から負荷試験をおこなう。
②パスタ、中華そば:ゆでうどんの2倍の小麦たんぱくを含む。
③パン:食パンは強力粉が使用され、食パン(6枚切り)1枚60gで蛋白量5.6gである。
1/4枚でたんぱく量1.4g(うどん50g)に相当する。
<魚>
①缶詰め、干物類②白身魚:負荷食品としては煮魚として一切れ約30g(蛋白量6g)~60g(蛋白12g)の少量から利用。
<大豆>
納豆は大豆アレルゲンが発酵で低下しており、大豆アレルギーの重症例を除いて自宅でも利用できることが多い。①豆腐:豆腐50g(蛋白量3g)~100g(6g)
②煮豆:ゆで大豆は蛋白含有16%(乾燥大豆で35%)である。
ゆで大豆20g(たんぱく量3.2g)~40g(6g)を負荷総量とする。
<その他のアレルゲン食品>
ピーナッツ、ナッツ類、そば、ゴマなどは重篤なアナフィラキシーが誘発される可能性が高いため、専門医療機関にて負荷試験を行う。