<2.食物アレルギーってなあに?>

私たちの体には、「自己(自分)」と「非自己(自分でないもの)」を識別して、非自己に対しては攻撃・排除して、外敵の侵入を防ぐ「免疫」システムが備わっています。免疫反応は本来、私たちの人体を守る機能を果たしていますが、食物アレルギーは、特定の食物のたんぱく質に免疫反応を起こすようになった状態です。

免疫反応に関わる抗体(免疫グロブリンIg)の一種に免疫グロブリンE抗体(IgE抗体)があります。

IgE抗体は、アレルギーを起こしやすい体質(アトピー素因)を背景に、食物たんぱくの一部(たとえば、牛乳たんぱくの分解ペプチド)が体内に入ることにより産生されます。食物たんぱくと反応するIgE抗体を特異的IgE抗体といいます。この特異的IgE抗体を血液中に持つようになった場合を「感作されている」といいます。

血液中に産生されたIgE抗体は、体を外界から守る皮膚や粘膜(口、消化管、鼻、気道、目など)の組織のすぐ下に集まっている肥満細胞の周囲にくっついた状態が最も安定しています。

食物アレルゲンが体内に取り込まれるとこの肥満細胞の上でアレルゲンとIgE抗体が結合し、肥満細胞内から化学伝達物質であるヒスタミンなどを細胞外に放出します。ヒスタミンは、周囲の血管を刺激して拡張させ、血液の成分を組織にもれやすくします。

その結果、蕁麻疹や目の周囲や口の腫れなど、私たちにとって好ましくないアレルギー反応が引き起こされます。また、分泌細胞を刺激して、分泌物を増やし、周辺の平滑筋(気管支や腸)を激しく収縮させるため、咳き込み、喘鳴(ゼーゼーする)、呼吸困難、激しい腹痛、嘔吐、下痢などが起こります。

図1


これらの急激なアレルギー症状を即時型症状といい、高度に症状が広がった場合をアナフィラキシーといいます。

アナフィラキシーはひどくなると血圧が低下し、ぐったりする、意識がぼーっとなるなど全身症状を起こし、ショックに発展することがあります。(アナフィラキシーの症状、エピペン使用の所、参考)

IgE抗体以外に、細胞性免疫で食物アレルギーの症状をおこす場合があります。

細胞性免疫とは、免疫細胞自体の働きにより異物を排除する免疫反応のことです。IgE抗体による反応は即時型ですが細胞性免疫による症状は、数時間後~数日と遅く非即時型の反応としてみられます。

新生児・乳児消化管アレルギー、アトピー性皮膚炎の湿疹などはこの細胞性免疫と関係していると考えられています。