食物アレルギーは、ある特定の食物たんぱくに過剰な免疫反応を起こすようになった状態です。
私たちの体には、「自己(自分)」と「非自己(自分でないもの)」を識別して、非自己に対しては攻撃・排除して、外敵の侵入を防ぐ「免疫」システムが備わっています。
これらは、本来私たちの体を守るためのしくみです。
しかし、食物アレルギーをはじめ、花粉症や気管支喘息といったアレルギーでは、人体を守るはずのこの免疫システムが過剰に反応して、さまざまな症状を引き起こし、悪い影響を及ぼしています。
たとえば花粉症は、体に入っても問題のない花粉(非自己)に過剰に反応して、くしゃみや鼻水で花粉を排除しようとする免疫による体の反応なのです。
食物アレルギーは、本来栄養となるはずの食物たんぱくが体に入ってくると、異物とみなして過剰にアレルギー反応を引き起こす状態です。
—柴田瑠美子著 国立病院機構福岡病院の食物アレルギー教室 より抜粋—