患者会との協働活動報告

平成30年7月 福岡市教育委員会へアレルギー疾患等の学校内対応についての協議会 福岡アレルギーを考える会さんからの報告より抜粋

〇面談内容トピックス
1)エピペンについて実態状況を確認
(回答)平成30年5月時点の調査結果で、小学校343人、中学校90人と対前年で増加しています。学校でエピペンを預かっている者は34件、それ以外はランドセルの中など本人が所持しています。
2)エピペンについて要望
・教職員の方々のアレルギーに関する知識・認識がまだまだ浅いように感じる。エピペン所持児童・生徒のいる学校はすべて 毎年エピペン講習を受けていただくよう強く望みます。
(回答)福岡病院の看護師等による講習につきましては、福岡病院と学校が日程調整を行い実施されています。
3)学校生活管理指導表について要望
・内容の1つとして化学物質過敏症の項目も追加してもらえないか
(回答)引き続き検討
・学校生活管理指導表を提出し給食開始前での面談を保護者が希望しても なかなか実施してくださらない学校もあるようです。入学後だけでなく、毎年進級前の3月までに<進級後給食開始前での面談>を希望するか否かの確認の義務化をお願いします。
(回答)アレルギー疾患のある児童生徒の症状や対応策を把握するために 必要な学校生活管理指導表は、入学・進学時に提出していただいており、面談において学校生活管理指導表を活用し、原因食物、誤飲した時の症状、出現するまでの時間、緊急時の対応などを確認するようにしています。
・面談内容につきまして、学校側に指導されていること等はありますか。各学校でアレルギー児への対応に大きく差があるように思います。
 アレルギーは個人差があるので対応を統一するのは難しいとは思いますが、最低限、牛乳パックの片づけ方、給食当番の可否、掃除の時間で希望する内容があるか(直接アレルゲンに接触する恐れのある雑巾は避けさせてほしい等)の内容は、面接時に保護者に確認するよう各学校に指導してほしいと願います。

(回答)面談内容を個別具体的に指導はしておりませんが、校長、教頭、保健主事、養護教諭、担任等がチームをつくり、十分な時間をかけて面談をし、保護者からの要望等をできるだけ把握し 学校としての対応を決めるようにしております。
・面談時の確認事項として質問内容を様式化し、入学時、年度初めに保護者に確認するようにしてほしい。保護者が相談しやすい環境をつくってほしい。そうすることにより こどもたちや保護者の心配も減り、教員もアレルギー児童・生徒への対応も一層深まり事故も起きにくくなるのではないか。
4)給食について
・小学校でもアレルギー対応給食を出してもらえる予定・計画はないでしょうか。中学校のアレルギー対応食は大変助かっています。特にヨーグルトの代わりの豆乳プリンは大好きみたいです。小学校でも導入していただけたら 喜ぶ方がたくさんいると思います。
(回答)小学校の対応食につきましては、施設設備や人員体制が整っておりませんので 現在計画はありません。デザートにつきましては、乳や卵などを使用していないものを調達するなど 献立の工夫に努めてまいります。
・中学校の給食センター建て替えの状況について 第三給食センターではアレルギー対応食何名分を
想定されていますか。

(回答)新しい給食センターにはアレルギー対応食が調理できる専用の調理室を設置することとしており、第三給食センターについても 最大で150食程度に対応できるアレルギー専用調理室を設置することとしています。
・給食施設に関係される方々(調理パート含む)の研修、どのような内容で行われ、29年度はそれぞれ何人の方が参加されたのでしょうか。
(回答)新規採用非常勤業務員14人、教育委員会転入調理業務員4人を対象とした研修の中で、「福岡市の学校給食の食事内容」について説明しております。特に調理に従事する職員ですので、「作業工程表」を活用しながら どの段階で除去するかなどについて具体的に説明しております。中堅調理員を対象にした研修の中では、「アレルギー除去食の取り組み」について説明し、各校での対応について意見交換をしております。今年度につきましても 新規採用非常勤調理業務員および教育委員会転入調理業務員を対象とした研修、中堅調理業務員を対象とした研修を実施します。
5)化学物質過敏症について
・実態状況について
(回答)学校での具体的な対応について、教科書については、保護者等からの申し出があった際は、学校から一般社団法人教科書協会へ直接申し込み 対応本の給与を行っています。なお、平成30年度分の教科書について 教科書の早期給与による天日干し対応を行ったのは1件、全ページカラーコピー本の給与を行ったのは1件、全ページ白黒コピー本の給与を行ったのは1件と 計3件の対応本の給与を行っています。その他の対応としまして、薬剤散布や校舎の改修工事の予定等について保護者への事前の情報提供、給食当番のエプロンについての予備の物の使用、空気清浄機の導入、給食を停止し代替食での対応、主治医との情報交換、教職員間での情報共有などを行っております。
・建築改築増築工事後の引き渡し時の残留物質検査について
(回答)平成29年度の便所改造工事実施校は小学校19校、中学校6校であり その工事をした全校について残留物質検査(VOC検査)を実施しました。また、学校に対しては工事の設計時に保護者への連絡をするように指導しております。
・ワックスについて
(回答)ワックスがけの時期につきましては、夏休み期間中などの長期休業を活用し、やむを得ず長期休業中以外に行う場合は、休日前で児童等のいない時間(早朝や下校時)に行うなど配慮するようにマニュアルに記載しております。ワックスがけ、樹木の薬剤散布や教科書配布等について連動して対応とのことですが、各学校では保護者からの化学物質過敏症等のお申し出があれば 学校で配慮が必要な事項を確認の上、可能な範囲で対応を行ってるところです。化学物質過敏症の児童生徒に対し教科書早期給与等の7対応が必要な場合は、学校長から一般社団法人教科書協会へ直接申し込むよう 4月の教科書事務担当者説明会において周知し、さらに5月と2月に各学校へ文書で通知しております。
・せっけん/洗剤について
(回答)小学校給食調理業務等の委託校で使用する洗剤につきましては、委託契約の仕様書において給食施設、調理器具、食缶および食器などの洗剤経費は福岡市が負担すると定め、純せっけん成分が95%以上あるせっけんをしようしております。食器洗剤以外の受託事業者の調理員が使用するコップなどの洗剤につきましては、受託事業者負担となっておりますが、これについても合成洗剤を使用しないよう受託事業者へ求めているところです。年度当初には、すべての受託事業者に対し、給食室でのせっけん使用について説明と協力依頼を行っています。
6)運動会の紫外線対策について
・今後の教育方針、対策などについて
(回答)今年度も5月に 紫外線、光化学オキシダント、PM2.5等の対応につきましては、各学校に運動時の帽子着用や水泳学習における仮設テントの設置、適度な水分補給、天候の状況によっては運動を取りやめるなどの指導を行っています。各学校においても学級指導や各家庭へのお便りで紫外線など環境に関するお知らせを行っており 今後も継続してまいります。
7)災害時の備蓄食料について
・米アレルギーの方にも対応できるよう 白米以外の備蓄の検討をお願いしたい
(回答)白米以外にもパンやパスタなども備蓄しておりますので 米アレルギーの方にも対応できると考えております。
・公民館以外に小学校も避難場所に指定されていることもありますし 小学校の方が収容人数も多いと思いますので 小学校にも水等の備蓄を検討お願いしたい。
(回答)小学校への備蓄についても検討してまいります
*患者会からのコメント
なお、これまでもアレルギー食品の物資を備蓄していただいておりましたが、今年度よりアレルギー食品物資全体の数が昨年度の3倍に増え 更には米アレルギーの方にも対応できるようになったそうです。本当にありがたいです。
以上

  

 

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